コラム記事「ゲーム理論から見る情報商材の不利益性」(1/2)
2022/08/05 土屋翔 (宇都宮大学 基盤教育センター 特任講師)
今日、ニュースでFXや株投資などの情報を販売する情報商材のいざこざ??が世間を惑わせています。端的にいうと大きく分けて二つの乖離が、情報販売者側と購入者側で起きています。“お金を払ったのに、実際やってみると最初言われた説明と違う”と“お金を稼ぐためには、仲間を増やし続けなければならない”の二つです。一見すると両者は同じように見えます。しかし、大別すると前者は詐欺であり、後者は情報商材そのものの崩壊を意味します。いずれの理由にせよ、情報商材はそれほど危険ということです。(いい情報商材があれば是非紹介してください!!SNSで経営学教員ですという素性を明かして、情報商材に興味があります!と言っても誰も連絡をくれません・・・)
さて、ゲーム理論とは“ある一定の範囲内において、ゲーム相手の行動を鑑み、自身がよりメリットを享受するにはどうすればいいのか”ということができます。ここでは情報提供側とその購入者側の二人のゲームを考えましょう。
情報提供者側のメリットは、情報商材を売り金銭を得ること。
情報購入者側のメリットは、情報商材により金銭を得ること。
ステップとしては、情報商材を売る(情報提供者側のメリット)→情報商材を利用(情報購入者側のメリット)という段階があることに留意しなければなりません。
情報そのものに価値があるということはどういうことでしょうか。今回の件に限って言うとそれは『希少性』です。“みんなが知らない情報だから”“新しい方法が見つかった”などなど。だから多くの購入者は“この情報さえ手に入れば自分もうまくいく”と考えるわけです。それは誰もがそう思うでしょう。