GSIJ研究部会

第8回研究部会

日時:2021年7月10日(土) 9:00-19:00

第1報告 カンデル・ビシュワ・ラズ氏(名古屋外国語大学)「近年のインドの家族企業のSDGsに関する意識向上 」


第2報告 土屋 翔氏(新潟国際情報大学) 「学生活動におけるSDGs広報戦略とその実践 」

本研究は、学生活動において(とくに、農村地域発展活動)、1)その活動内容、2)SDGs視点からの分析、をSNS広報する際に起こり得る起こり得る諸問題をあげ検討し改善案を論じ、活動そのものが持続的になることを目的とした。

今日、学生活動は地域発展活動の重要な一要因としてあげられ、全国で展開されている。しかし、その構造的かつモデル的な分析はあまりなされておらず、漠然とした”学生活動”という表現がなされ、一人歩きしている風潮も否定できない。つまり「学生活動だからOK」「学生が頑張っていれば地域は嬉しい」はある意味で諦めの側面もあると思われる。学生活動を入り口としても、より質の高い活動へ展開することを模索する必要がある。そのためには、大学(学生)と地域、場合によっては行政の三者がしっかりと活動の内容を吟味し、記録し、モデル化が求められる。

SNSは、上記のような活動を広報する最適な手段の一つである。とくに、学生を中心とした若者はSNSの活動に長けており日々進化している。学生の拡散力を加味すれば、衰退しつつある地域に対し、何らかの希望の光を与えることができるかもしれない。その際に、注意する点はSNSの利用区分である。投稿する目的をしっかりと定めて投稿をする必要がある。例えば、公的なのか、私的なのか、私的要素を公的に公表するのか等。

他にも地域活動とくに農村部ではSDGsに合致する要素が盛り沢山である。身近にSDGsがあるという広報は、SNSが最適と思われる。その運用方法もしっかりと吟味し、意味のある学生活動が必要である。これまでの価値観とは違う価値観を提供できる学生は、地域活動における宝である。しかし、そこに甘んじずそり高いレベルを求めれば、これまでとは異なる地域発展のすがたが浮かび上がるかもしれない。



第3報告 明山 健師氏(嘉悦大学) 「非営利法人の経営の自由度を確保するガバナンス 」

本研究は、非営利法人のガバナンスに関する研究の途中経過として、非営利法人のガバナンスを制度的な規制を設け、監視機能を強化しようとする際の葛藤について論じたものである。非営利法人は、いままでガバナンスに関する制度改革に力が入れてこられなかった。それは、非営利法人は、広く公益を目的としていることから、当然健全な経営がなされているであろうとの前提が存在していたからである。しかし、近年の私立大学法人、老人ホームなどの社会福祉法人、スポーツ教会などの一般社団法人など、法人の種類に関係なく、非営利法人の不祥事が多発したことからガバナンスの強化が必要であることは一目瞭然である。

ただし、非営利法人のメリットの1つに、出資者からの圧力を受けず、ミッションの遂行に力を注ぐことができることがある。ここには組織の目的に対する経営の自由が認められている。この経営の自由が制限されることは非営利法人の存在意義を少なから損なうものである。また、非営利法人は、その性質上、設立当初は、創設者が自己資金を法人運営に回して、事業を軌道にのせようとする期間が存在することが多い。また、事業としての利益を十分に出さずに運営される法人も多く、役員借入金がふくらむケースもある。さらに、理事長による経営者補償によって資金繰りをせざるを得なかった法人もある。

こうした実態のなかで、非営利法人への監視機能を強化する方策を模索しなければならない。いまところ、非営利法人のガバナンス強化の方法として利害関係者の経営参画制度を構築したいと考えている。ここでいう利害関係者は、出資による影響力の優劣ではなく、非営利法人の事業の運営上の問題によって利害を伴う者をいう。たとえば、地域住民や消費者などがそれにあたる。とはいえ、こうした利害関係者が経営に参画することは、双方の問題により容易ではない。こうした利害関係者が、善意を持って企業に影響力を行使できる仕組みを模索する必要がある。

[本研究はJSPS科研費 JP 2 0 K 1 3 5 7 0の助成を受けたものです。]


統一論題 ディスカッション形式「海洋汚染-漂着ゴミの現在とその対策- 」